Inugami Circus Dan

凶子　　 「はい、はい、はい、ごめんなさ～い、貧乏の神追い払い、福の神を呼ぶ
　　　　　 『口寄せ』が参りました。火の用心！ はい、はい、いらっしゃいませ、
　　　　　　口寄せは如何ですかぁ～？」
情次２号　「おい、見ろよ。 口寄せだってよ」
ジン　　　 「なんだい？ 口寄せって」
情次２号　「死んだ人の霊を自分に乗り移らせて喋るんだよ」
ジン　　　 「あぁ～。 じゃあ一種の降霊術か」
凶子　　　「いらっしゃい」
情次２号　「あのぅ、本当に死んだ人を呼んでくれるんですか？」
凶子　　　「はい」
ジン　　 　「おいくらですかぁ？」
凶子　　　「三千円です」
情次２号　「おい、どうする？ ちょっと面白そうじゃん」
ジン　　 　「じゃあ、やってもらおうよ！ ...でも、誰呼ぶ？」
凶子　　　「どなたでも」
情次２号　「ええと、死んだ人、死んだ人 ...ジミヘン？」
ジン　　 　「ああ、１９７０年にこの世を去ったギターの魔術師、ジミ・ヘンドリクスかァ」
情次２号　「じゃあ、ジミ・ヘンドリクスでお願いします」
凶子　　　「はい。わかりました。 ...は！　この世に未練を残して死んだ、ジミー・
　　　　　　ヘンドリックスの霊よ！私の体に降りてこい～、降りてこい～、...は！」
情次２号　「おいっ、乗り移ったみたいだぞ！」
凶子　　　「我はジミー・ヘンドリックスなり。 何でも聴くがよい」
ジン　　　「あなた本当にジミヘンですかぁ？」
凶子　　　「ああ、そうじゃ。私がジミヘンじゃ。」
情次２号　「あれ？おいっ、ジミヘンって外人だったよなぁ」
ジン　　 　「うん、たしかアメリカ人だ」
凶子　　　「いかにも！私はアメリカ人じゃが、...なにか？」